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今回ご紹介する本は、島田荘司(しまだ そうじ)先生の
占星術殺人事件
です

水晶玉で犯人を見抜いたりするんやな

理路整然とした本格ミステリーです
安心してください
驚きのミステリートリックとして伝説級の作品ですね
いつもどおり、ネタバレなしでご紹介します
海外での評価もスゴイ

2014年イギリスの大手新聞社Guardianの企画記事
密室、不可能犯罪物ランキング、ベスト10において
島田荘司先生の「占星術殺人事件」が第2位に選ばれています

第2位 島田荘司 《占星術殺人事件》
第3位 ポール・アルテ 《七番目の仮説》
第4位 エラリー・クイーン 《帝王死す》
第5位 ガストン・ルルー 《黄色い部屋の秘密》
第6位 イズレイル・ザングウィル《ビッグ・ボウの殺人》
第7位 クリスチアナ・ブランド《自宅にて急逝》
第8位 アガサ・クリスティー《そして誰もいなくなった》
第9位 ジョン・ディクスン・カー《連続殺人事件》
大10位 ウィルキー・コリンズ《月長石》

いや、アジア人で唯一のランキングやないか!
しかも2位?

らくだはGuardian誌が何たるかを知らなかったので調べてみると、イギリスのきちんとした大手新聞でした(笑)
占星術殺人事件のあらすじ

占星術師である御手洗潔と石岡和巳の前に、飯田美佐子という依頼人が父親の手記を持ってきたことから、40年以上も前の迷宮入り事件「梅沢家・占星術殺人事件」の調査をすることになる
空前の猟奇事件となった本事件の最も不可解な点は、殺された梅沢家の6人の娘達の死体の一部分を切り取られ、彼女達の属する星座を意味する金属元素が添えられていたことだった
ところが彼女らが殺害されたと思われる時点で、容疑者達には全員アリバイが成立していた
連続殺人事件の真相を追い、たどり着いた京都で二人が見たものは
作中のアゾートについて

事件の発端となった梅沢平吉の手記における「アゾート」とは、若い女性の星座に応じた6つの部位を結合させて、完璧な存在を作り出すという思想であり、作中では娘達の
- 頭部
- 胸部
- 腹部
- 腰部
- 大腿部
- 下足部
をそれぞれの切り取られた、6つの遺体が次々と発見されます
切り取られた6つの部位の行方もわかりません
6つの部位を結合させたアゾートは完成してしまったのでしょうか
Who done it(フーダニット)って聞いた事ある?

フーダニット という言葉を聞いたことは、ありますか?
もともとは単純に犯人当てしかなかった頃の、アメリカ英語の俗語だったそうでミステリー全般を指す言葉だったようです
正確にはWho (had) done it と書き
それをやったのは誰か(犯人は誰か?)という意味になります
つまり、誰が犯人かを当てるタイプのミステリーという意味ですね
同様にHow (had) done it ハウダニット
どうやってその犯行をおこなったか(方法はどうやって?)
Why (had) done it ホワイダニット
なぜ犯行をおこなったか(犯行動機は何か?)
- フーダニット 誰が犯人か?
- ハウダニット どうやって犯行を成したか
- ホワイダニット なぜ犯行をおかしたか
本作でも、この3つのミステリー要素は見事に整合しており、ハウダニットにおいては、驚愕の真相が待っています

だけじゃないねんな、ミステリーって
占星術殺人事件、最大のネックがコレ

占星術殺人事件を読むにあたって、最大のネックと言われるのが
最初の45ページです
この部分を読んだ主人公の御手洗潔が「電話帳を読まされたみたいだ」と発言したという、本作の最大の難所です
この電話帳が延々続くわけではないということをご理解いただき、ゆっくりと確実に読み進めてください
きっとあなたは、かつてない衝撃に切り刻まれます