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今回ご紹介する本は、泡坂妻夫(あわさか つまお)先生の
しあわせの書
迷探偵ヨギ ガンジーの心霊術
です

帽子に”名探偵”とか書いとるで
だいぶパンチくらっとるな
これでホンマに驚きのトリックがでてくるんか?

見たことも聞いたこともない
驚きのトリックをお約束します
泡坂妻夫というペンネームは「厚川昌男」という、ご本名のアナグラムだそうです
今回も、驚きのミステリートリックというタイトルにふさわしい作品です
昭和62年発行の本ですが、いまでもに売れ続けてるんです!
もちろん、いつもどおりネタバレなしでご紹介します
ところで、作中のイタコってご存知ですか


やはり、特筆すべきは
”口寄せ”と言われる降霊術ですね

タイトルからしてヤバイ匂いがしてたんや

知らない方も多いと思うので
こういうのを紹介して、見聞をひろめてもらうのも
ミステリーブログの使命です
イタコというのは、日本で最もミステリアスな霊場の一つとして有名な、青森県下北半島の恐山でみられる民間信仰習俗の儀礼であり、盲目や弱視の女性の生業として、死者の霊を自身にのりうつらせて、その言葉を語らせる降霊術師のことです
あらすじ

死者の霊が集まると言われる恐山の大祭で、名探偵ヨギ ガンジーはひとりの男と出会う
宗教団体にのめり込んだ末に、温泉の大火災で遺品が発見された妹の事で相談をもちかけられる
妹の遺品は「しあわせの書」という小冊子で、巨大な宗教団体「惟霊講会」から刊行されているものだった
不審に思ったガンジー達は「惟霊講会」への潜入を試みるが、あえなくつかまってしまう
だが、そこで現れた教祖 桂葉華聖から、意外な申し出をうける
二代目教祖を断食無言の苦行により決めるため、その指導と審判をガンジーに引き受けて欲しいという旨だった
断食は若狭の流桃山の麓で行われることとなる。しかし、そこに現れた二代目候補者達は恐ろしい陰謀を巡らせていた
そして「しあわせの書」と言われる不思議な本の実態とは?
泡坂妻夫の足跡


マジックの凄腕だったそうです

こんな大技、普通の作家では考えつかんもんな

酩探偵ヨギ ガンジーの透視術
も大反響でした
ヨギ ガンジーの作風をはじめとして、突飛な発想の作品が目立ちますが、正統派の作品でも大きな賞をいくつも受賞されています
1975年 | DL2号機事件 | 幻影城 新人賞 佳作 |
1978年 | 乱れからくり | 日本推理作家協会賞 |
1982年 | 喜劇悲奇劇 | 角川小説賞 |
1988年 | 折鶴 | 泉鏡花文学賞 |
1990年 | 蔭桔梗 | 第103回 直木賞 |
1994年に発行された「ヨギ ガンジーの透視術」以来15年ぶりに執筆再開されかけていた「ヨギ ガンジー最後の妖術」が最後の作品となってしまいました
綾辻行人先生のお言葉

「十角館の殺人」シリーズで高名な綾辻行人御大も、大きな影響をうけた作家であると公言されています
過去にうけたインタビュー記事では、泡坂妻夫先生を以下のように語っておられました
泡坂さんは有名なアマチュア・マジシャンでもあった方なんですよね。僕も20歳過ぎでずいぶん奇術に凝って、マジックショップに足しげく通ったくちなんです。泡坂作品はどれも、マジシャンならでは発想や技術を武器にして書かれた独自性の高い本格ミステリで、自分も心得があるだけによけい感心させられました。奇術とミステリ、両方にあそこまで精通していて、どちらも名人級の腕前という作家は、世界レベルで見ても泡坂さんだけなんじゃないかな。
まさに泡坂妻夫先生を表現するに、ふさわしいお言葉ではないでしょうか
奇術と同じくミステリーもまた、独自性がなければ成り立たない性格を持っていますが、泡坂妻夫先生の場合は全く違う次元から”かつて無かったもの”を見せてくれます
この本を読み終えたあと、あなたはこのトリックを確かめるために、何度もページを読み返すことになるでしょう
驚きのミステリートリックをご堪能ください