どんでん返しミステリー   其の5  【デルタの悲劇】

デルタの悲劇

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今回ご紹介するのは、浦賀和宏さんの

デルタの悲劇

                          です

「浦賀和宏が殺された!?」という帯のコピーが踊る本作が書店に並ぶ中、2020年2月25日に作者である浦賀和宏先生が脳出血のためお亡くなりになりました

作中では浦賀和宏という作家の死が、プロローグから描かれていたことが、あまりにミステリアスであることから「本当に亡くなられたのだろうか?」という声がネット上でも話題となりました

その話題作である『デルタの悲劇』の魅力を、今回もネタバレ無しでご紹介します

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『デルタの悲劇』はココがポイント

池に沈んだ少年
ころん 笑顔
ころん
何が話題なん?
らくだ左向き素アイコン用
らくだ
亡くなる直前に上梓された本作内で、自らの死を題材にされていたことが、現実が作品とリンクしていると話題になりました
ころん (驚)
ころん
自分の死を直前の作品で書いてたんか!
なんとミステリアス!
  • 作者自身が作中で亡くなる
  • 幾重もの叙述トリックが仕掛けられている
  • 200ページ弱の薄い本
  • 各節題の頭にアルファベットが記されている
  • プロローグとエピローグが、作者の母親が犯人にあてた手紙
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デルタの悲劇のあらすじ

どんでん返しミステリー   其の5  【デルタの悲劇】

冬の日の早朝、公園の池で小学校四年の少年の水死体が上がった

普段から少年をいじめていた同級生の悪童三人組は、事件に関与していると疑われる事を恐れてか、少年の死後まるで牙をぬかれたかのように大人しくなった

結局、少年の死は事件性が薄く、事故と処理される

ところが十年後の少年の命日に八木と名乗る男が三人の前に現れた

犯した罪を償うように迫ってくる八木の存在が、次第に三人の歯車を狂わせてゆく

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浦賀和宏先生をふりかえる

どんでん返しミステリー   其の5  【デルタの悲劇】
1978年1月28日神奈川県に生まれる
1998年「記憶の果て」で第5回メフィスト賞を受賞しデビュー
2001年8月「彼女は存在しない」を発刊、20万部をこえ代表作品となる
2019年12月デルタの悲劇を上梓
2020年2月25日脳出血により、41歳の若さで逝去

メフィスト賞

らくだ 吹き出し
らくだ
浦賀先生といえばメフィスト賞出身ですが、この賞について少しご説明します

講談社が発行する「メフィスト」誌の編集部が運営する公募文学新人賞です

受賞賞金はありません

そのかわり、応募要項が比較的自由なので人気の文学賞です

  • 締め切りが無い(随時受付)
  • 下読みを介さず、直接編集さんに目を通してもらえる
  • 受賞しなくても、優秀作品であれば発刊できることもある
  • 応募ジャンルはエンタテインメント作品(ミステリー、ファンタジー、SF、伝奇など)と幅広い
ころん (驚)
ころん
言うとくけど
伝奇であって
伝記と
ちゃうしな!

伝奇……中国の古典文学がルーツで、伝説や伝承を扱った物語

伝記……古来より伝わる記録、個人の生涯を記述した記録

彼女は存在しない

浦賀先生の代表作といわれる作品「彼女は存在しない」ですが、これが又、どんでん返しが秀逸なので番外編として少しふれさせてもらいます

「彼女は存在しない」のあらすじ

恋人との待ち合わせ中の香奈子は、横浜駅前で由子と名乗る女の子と出会う。だがその数日後、恋人が何者かに殺されたことを知り、由子の不審な行動に違和感を感じる

一方、妹の不審な行動に悩む大学生の根本は、妹の部屋から多重人格の本をみつけ、その疑いを強める。やがて妹の中の別人格”由子”をはじめ、いくつもの人格があらわれる

次々とおこる殺害事件の末、最後の悲劇をむかえた時、悲痛な真実が浮かび上がる

ころん 素
ころん
多重人格か……
善良な人が、裏では殺人鬼やった
いうやつやな
らくだ左向き素アイコン用
らくだ
わかりわすくいえば、そうですが
この作品は、別のギミックが仕掛けられていて、終盤でどんでん返しがあります
ころん 笑顔
ころん
わかったで!
普段は殺人鬼やのに
裏ではユニセフに募金しまくっとった
とか!
にやけるらくだ
らくだ
普段は殺人鬼って……

※人格の乖離と犯罪の因果関係はありません

京極夏彦先生のお言葉

デビュー作「記憶の果て」の帯表紙に、京極夏彦先生の選評がありました

浦賀和宏と云う若い作家は、作法を創るべく模索している。

その仕事は、新しい小説を求めるものに、多くの示唆を与えてくれる筈である。

紡がれたテキストは、ミステリだとかSFだとかいう既存の枠組みに与することを嫌っているかのようである。それでいて、多くのジャンルの新たな可能性を悉く内包している。

均等な距離感に基づく世界観を以て築かれた物語は、読む者の偏差を明確に自覚させてくれるだろう。

本書は先行作品に対する敬意ある挑発である

京極夏彦

裏切られてばかりで、ショックを受けてばかりで、感心させられてばかりでした。

浦賀和宏先生のご冥福をお祈りします。


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